吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

超越的な愛

朝5時、葡萄害虫駆除噴射機の轟音で目覚める
ストレッチラジオ体操腹筋で朝歩二キロ
桃の実が吹き出していたし
野草が、アスファルトの溝から勇敢に生えていたし
野良猫はキッチリと野生の眼をしていて
オレを睨みつける
良い眼をしていた

好きか嫌いかで言えば
猫は大嫌い

最近、家の近くの古家に
若い家族が越してきて挨拶に来られた

東京から来たと言う
ロナで仕事が自宅勤務になり
色々考えた末に
田舎に越すことにしたとおっしゃって
ああそうですかと話を聞いていた

言わなかったが
厳しい言い方をすると
東京から田舎に越して来る人は
地域にとけこむのが難しい
東京のイメージで住むと
まず孤立してしまう
生活という事は
景色、風土に合わせないといけない
自分が変わらないと田舎暮しは無理

大切なことは行動力
自分からさりげなく声をかけて
人の心に入っていかないと
田舎の人は信用しない
始まりはいつも自分で自己完結
相手に何も求めないこと

人間としてあたり前のことだけれど
都会の人を観察していると
この部分の欠けている人が多い
本来、人は好きではないけれど
いつも自然体でいることに
十分に気をつけている

昨日は久しぶりに近所の三人衆と酒を呑んだ
オレを含めて四人は、50,60,70,80代
それぞれの時代背景があるから会話が面白い
18歳の頃から
なるべく同世代と酒を呑まないようにしている
話が面白くないからだ
ぐだぐだと仲間と呑んでいても
人生の知識にならない
時間のムダで
家で自慰行為している方がマシだと
若い頃から思っていたし
一人居酒屋で呑んでいたほうがいい

昨日は
それぞれの時代の話
ゼレンスキーが嘘くさいとか
教師は親に媚びないで
どんどん生徒を殴るべきだとか、、
オレは近所の爺さんに
悪さをしては、よく殴られたとか、、

風車と滑車の素晴らしい日本の技術の話とか
美しい女の口説き方の話とか
爆笑の連続であった
また来月呑もうと解散

70代の小屋の主は最近竹に凝っていて
山の上のダム湖の前の土地を借りて
一人で小屋を作った
竹が密集している場所の
知らない地主に竹を下さいと声をかけて
いくらでも竹を取って良しとなって
竹を切っては車に積んで往復60回
家に戻って竹を割り
山に戻って竹だらけの小屋を立てた

素晴らしい立派なアホである
四人ともそれぞれに個性が違うので楽しい
オレも大先輩方に負けず
アホさに磨きをかければならない
アホの志が豊かな人間以外には
興味が沸かないし
人間味が薄く見ていてつまらない

先日、鼻くそ日本JPOP音楽を聴いて
気持ち悪くなって
悪い余韻が魂に残っていたから
ルー・リードのレジェンタリー・ハーツの
心臓をえぐるような歌詞で魂を整えてから
アルバムを聞き直した

フレットレスのベースが素晴らしかったし
演奏がヒリヒリ響いた
なんにせよ
ルー・リードの鷹のような眼光は美しい

“Legendary Hearts”

超越的な心臓
引き裂かれる俺達
その愛の物語によって
超越的な愛
俺達はここに立ち尽くし喧嘩する
超越的な愛とはかけ離れた夜

ロミオ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの
奴は車の中かバーで
不純なドラッグで血をかき回してる
奴は永遠に失われた過去の人
奴は善人になるため懸命にやったが
本心はピュアなままじゃいられなかった
奴が弓を手にしても拍手する観客は居なかった

超越的な心臓
俺達を引き裂く
感情は血飛沫を上げ
泣き叫びそうになる

超越的な愛
天から舞い降りたりしない
そいつはこの部屋の中にある
正義のために戦わなくては
戦わなくてはならない
君の超越的な愛を守るために