吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

夏休みの一瞬の隙間へ

朝五時起床
野菜を収穫
ゴーヤーもまぁまぁ採れだした
明日、店に野菜を持参だ
寝すぎの剣道娘を起こして
洒落たランチを喰いに連れて行くから
荷物持ちで付き合えと誘い
大喜びで出発

最近は、標高に敏感なので
県境の長野の野辺山へ
店用の新鮮高原野菜の買い出し
車で走る
野辺山駅は標高一位の駅
1300メートルはあるだろう
涼しい場所だ

娘もニヤニヤ
まだまだ、観光客は少ない
大好きな牧場へ行き
一切並ばずにソフトクリームを買う

かぶりつきのソフトの喰い方が
じつに下手くそなので
素人かっ!こうして喰うんだぞっ!
きちんと喰え!品良く舐めろ!
大人になればわかるっ!と調教
ゲラゲラ笑いながら
口の周りがベトベト
蛇口にかぶりついて洗っていた
誰に似たのか?おもろい子

格好だけのパン屋へ行って
観光客用だなとすぐに出る
昼飯に、昔ながらの
洒落た洋食屋の食堂レストランへ行く
広い庭が見える場所
葡萄の樹の下で涼みながら
ハンバーグランチとカツカレーを注文
具材を交換しながら食す
量が多くて共にお腹一杯

お盆は、混雑するだろうな
なだれ込むようにやって来る
ネット検索観光客がいなくてほっとする

いつも落ち着く店に行くと
あちこちの無垢板や構造を眺める
トイレも必ず見る
古いアイアンと材木の調和には
センスと品があった
なるほどなぁ、また来ようね

こないだ見たドキュメンタリー
非電化工房の自立共生塾
そこで夢を描きながら
住み込みで働く20代の男女の若者
彼らの、悩みながらの素朴な心の景色
自己発信、自己完結が素晴らしかった

それに出ていた実在する花屋さん
じつに素朴でシンプルなので気になっていた
地図で探して行ってきた
ここの花は、ビニール栽培をしない天然の花々
従業員は
余計な接客もアピールも一切しない
ほっといてくれる、いい雰囲気だった

二階へ上がりドライフラワーの部屋を見て
素晴らしい天然の匂いに圧倒された

娘は
“家の中に,この匂いがあるのもなぁ、、”
と、ブツブツ言っていたが、、
これ嗅いでみろ、これも嗅いでみろと
嗅ぎまくった

いやはや、素晴らしい小さな景色だった
我が家のひとりセレブ
勉学に優れた自称引きこもり気味の
姉ちゃんに美しい花束を買って帰る

プロの花職人で忙しい息子へ
店の画像を送り伝える
凄い良い雰囲気だぞ!知ってたか?
“その場所は、知らなかったなぁ、
う〜っドライフラワーだなキレイだな”
と、喜んでいた

夏休みの素晴らしい胡散臭い父親像
これで、一切終わりの巻