吐きだめ日記 Part2

海風店主 深堀貴司

それぞれの夏

家の風呂場に入るたびに
この光景、とにかくびっくりする
3日間ずっと水死体のように面が浮かんでいた
真夜中に見ると
わかっていても面と眼が合ってしまい
腰が抜けそうになる
面と眼という言い方は、ややこしいな、、
こらっ!早く乾かせ!と叱っても
汚れが気持ちが悪いから
つけ置き洗いだからいいのだと
娘、寝転び言うだけで
モノは完全放置なのだ

とにかくこの反抗期の娘曰く
”この夏休みずっとパジャマで寝転び
ぐだぐだと過ごすからいちいち文句は言うな”
と、宣言しており
毎朝11時に起きている
知ったこっちゃない自己責任
皆、一切介入せずの家族の形

わたしゃ都会へ仕事へ走る
しかし、都会の水はぬるい
不味くて飲めない
大阪の水はもっと不味かったけれど
顔を洗うのも気持ちが悪い

とにかく集合住宅は、水がぬるいし
給水の仕組みが心配だ
キレイにゴシゴシ洗ってんのかなぁ?
気になりだすと止まらない
換気扇からも微妙に階下や横の
タバコの臭いが漏れる構造
仕方がないが、、
鼻が良すぎるので困る

昔の分譲マンションで
管理人さんも常駐だけれども
ポストのチラシを見ると
何千万円も支払いマンションを皆が買う
建物は古くしかならないのに、、
管理費も4、5万円と書かれていて
近所付き合いは無し
死ぬまで管理費?とやらを払うのだろうか?
凄いなと痛感する

めんどうだけれど
いつも山の水を台車で運んで冷している
好きではない環境に、慣れたくはないから

博物館の修繕費が足りないので
募金を募ったら
この不景気の中で、
8時間で一億円集まったと
この国は、不思議だ
物価高のこの世の中でも
そういう人が沢山いるのだろう
外国なら、修繕費は国が払え!と
誰も払わないだろうな

仕入れ物をイトウに運ぶ
扁桃腺が弱っていると濁声イトウ
ずっと森進一を意識し過ぎの声だなと
からかって色々話をして帰る
少し涼しいので
夕刻から、都会を散歩
知らない居酒屋へ行ってみる
入りにくそうな焼き鳥屋に入る
煙草可と書かれていた
煙草は吸わないし
常連ばかりの店だろうが
どんな人が居ようがどうでもいい
ほっといてくれて静かならそれでいい
気にせず入りビールとやっこ

壁のメニューを見ると
料理8品、焼き鳥5品
本日のおすすめ料理は無い
静かな老夫婦がカウンター
焼き鳥を喰えるかな?と思ったが
4本頼んだ普通の味
カウンター横には小さなテレビ
昭和そのまま静かで落ち着く

嬉しかったのは、、
氷が、婆ちゃんの手割り
これ大変なんだよ
小さな所作に
手間ひまかけている事は素敵
うちの店と同じかち割りだ
見えない部分を、、
わかっている人間は必ず見ている
そう信じている

入りにくいけど、また来よう
お婆ちゃんに
“ありがとう美味しかった、また来ますね”
お辞儀して引き戸を開けたら、、
嬉しそうな老夫婦